国民と供に歩む木村が国会関連情報を発信します。

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■国会短信2006/8/1号■
今年の梅雨前線は、太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、さらに北の上空を蛇行する偏西風の影響で、西日本から東日本の太平洋側にかけて停滞して、特に九州、中国地方や長野県に局地的な豪雨をもたらし土砂災害などを引き起こしました。九州・四国では先月26日に梅雨明けの発表がやっとされましたが、北陸、東北地方は未だに雨や曇りが続き、梅雨明けの見通しが立たないようです。そして、梅雨明け以降はやや長めの夏となり残暑も厳しくなると予測されています。
政府・与党は、19年度予算の概算要求の取りまとめなどの作業を続けており、今年も、過去5年に引き続き公共事業予算の削減など緊縮型の概算要求となる予定です。しかし、メリハリを付けた予算編成になる様に取組んでいます。
◆水害・土砂災害防止のために◆
先月の長野県等の土砂災害など、梅雨・台風時期になると日本各地で人命に係わる災害が毎年発生しています。1時間あたり50ミリ以上の集中豪雨は20年間で1.4倍と増加し、浸水棟数は年間約75,000棟前後で推移しています。一方被害額は家財などの高額化のため20年間で約4倍に増加しています。記憶に新しい平成12年の「東海豪雨」での被害額は約6,700億円に上っています。
東海豪雨災害後、国は約716億円を庄内川・新川の復旧改修事業に投入しました。その結果災害時と同程度の豪雨が降っても被害は出るものの約5,500億円程度被害を軽減できると推計しています。その他の被災地でも復旧・改修事業で被害のほとんどを防止出来るようになりました。
このように、事前に河川等の防災事業を行えば、被害の防止に役立つことになります。
しかし、近年の予算編成では、公共事業費が毎年削減され急傾斜地崩壊対策や流域防災事業などの治水事業予算は9,580億円とピーク時(平成10年で補正を含め19,620億円)の半分以下になっています。
日本では1990年代より防災面でのソフト対策としてハザードマップの作成が進められて来ていますが、危険箇所の対策工事が行われていないところが多いのが現状のようです。長野県での土砂災害箇所も防災工事は未着手でした。
しかし財政健全化に向けて、スリム化や歳出削減に聖域をもうけず、予算の削減方針を立てています。
災害を防ぎ国民の生命と財産を守ることは国家の責務ですから、まさにメリハリを付けて事前に防災予算をしっかり確保をする必要があると思っています。
◆環境委員会視察−小笠原諸島−◆
環境委員会において小笠原父島周辺の自然・環境を視察しました。小笠原諸島は東京から1,000kmほど南方に位置し、一度も大陸と陸続きになったことのないことから「東洋のガラパゴス」と呼ばれ、小笠原固有の動植物や海洋生物の宝庫です。明治8年に日本領土と国際的に認められ、大正、昭和初期には果樹栽培やカツオやマグロ漁で栄えたそうですが、戦後はアメリカの占領下に置かれ、昭和43年に日本に返還されました。在住の村民は2,300人ほどです。
小笠原への移動は、島に飛行場がなく航路のため、海上自衛隊の飛行艇を派遣していただきました。雨模様の厚木基地から離陸し小笠原の真っ青な海に着水しました。飛行機で移動する機会は多いのですが初めての体験で、滑らかな着水に驚きました。
父島は火山隆起により出来た平地がほとんど無い島です。兄島周辺の岩礁には不思議な紋様が浮かび独特な風景を造り出しています。また、所々に戦時中の「トーチカ」が残り、砲身が突き出したままになり今でも戦争の跡が残されていました。
−自然の宝庫−
小笠原には現時点で固有植物種161種、動物種においても411種が固有種と確認され、カタツムリは約80種もの固有種が生息していているそうです。
固有種の中でも絶滅が危惧されるハハジマメグロ(鳥類)などが特別天然記念物に指定され、その他コウモリ類、昆虫類やオカヤドカリ類の多くが天然記念物に指定されています。海洋には造礁サンゴ、貝類、アオウミガメ、熱帯魚類が生息し、ザトウクジラ・マッコウクジラや多数のイルカ類が回遊し陸上・海中ともに手付かずの自然が残され、風景もそこに住む人々もまさに自然そのままです。
−外来種による被害−
しかし、木材用に沖縄から人為的に持ち込んだ「アカギ」と呼ばれる樹木や、旧日本軍が戦闘機や施設をカモフラージュするために植えた「ねむの木」など移入種による森林の植生破壊や、アメリカ統治時代に持ち込まれた「グリーンアノールトカゲ」(特定外来生物に指定された北アメリカ原産イグアナ科のトカゲ、体長約20cm、小笠原諸島に約600万匹生息と推定)が、オガサワラシジミ、オガサワラトンボ(共に天然記念物)などの昆虫を補食しており、固有種への甚大な被害が報告されています。
−世界自然遺産登録をめざして−
日本で4番目の「世界自然遺産」登録をめざして、環境省、林野庁、東京都、小笠原村など関係機関が連携し移入種(現時点で340種を確認)対策に取り組んでいます。
一方では、東京から船便で片道25時間(定期船は6日に一便)の交通機関しかありませんが、環境の保護や自然志向の高まりで毎年約3万人の観光客が訪れており、航空路開設が望まれています。また観光以外でも島の経済の活性化や急病人発生時に自衛隊に患者の空輸を要請しなければならない等、島民にとって飛行場開設は悲願でもあります。「観光促進」「住民の安全・安心」と「自然保護」の両立をどの様に確保すべきか調査・検討が始まっています。利便性を確保しつつ世界自然遺産として後世に残す努力をしたいと思います。
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